第9章 異世界生活二ヶ月目
恋心を自覚したあの日以降、トランクスとシドは敬語を使わず話せるまでの仲になった。(たまに癖で敬語になるが)
ボランティアの方もあれからほぼ毎日行っており、も本当に楽しそうな様子だった。
今では、シド、トランクス、の三人でいることが当たり前になっていた。
しかし、今日は生憎の雨。雨では外の作業が出来ないためボランティアは休みだ。
トランクスとはリビングで紅茶を飲みながらゆったりとしていた。
「今日は雨なのでボランティアはお休みですねえ」
窓の外の降りしきる雨を見つめながらは呟いた。
「そうですね。まあ今日一日くらい、ゆっくり過ごしましょうか」
「そうですね」
落ち着いた空気が流れるリビングに、ブルマが入ってきた。
「ちょっとアンタ達……何じいさんとばあさんみたいにのんびりしてるのよ!暇なら少し手伝ってくれないかしら?」
「すみません!何を手伝いましょうか?」
は居候の身なのにくつろいでしまったことを怒られるかと思い、立ち上がって謝る。
「冗談よ、そんな謝らないで!」
ブルマはそんなの心を読んだのか、そうフォローを入れる。
「でも手伝って欲しいのはホントよ。ちょっと買い出しに行ってきてくれないかしら?」
そう言って渡された紙には、買ってきて欲しいものがズラリと書かれていた。
それを覗き見たトランクスは、
「分かりました、じゃあオレとさんとで行ってきますね。」
とお使いを快く受け入れた。
「ええ、頼んだわよ!」
――。
着いた先は、最近新しく建設されたショッピングモールだった。
七階建てで吹き抜けの造りをしている。一階から上を向けば七階まで一気に見えるため、とても開放的な造りだ。
七階の天井は透明な素材で出来ているため、外の様子が見えるが今日は雨粒が描く模様しか窓からは見えなかった。
ずらりと立ち並ぶ店を見ながら、その賑やかな雰囲気に呆気に取られる。今日は雨と休日が相まって沢山の客で溢れていた。
「すごい…!ショッピングモールが出来るくらい回復してきてるんですね!」
「ええ、こういった娯楽を伴う施設は人々の心のゆとりにも繋がるので、いち早く建設されるんです。」
「そうなんですね…早く元通りになるといいですね!」