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青く染まる

第8章 異世界生活一ヶ月目


「ええ…こちらこそよろしくお願いします。」

「トランクスさん、良かったですね!お友達ができましたよ!」
は嬉しそうに笑う。

「そうですね…」
しかしトランクスは苦笑するしかほかになかった。
確かに友達が出来たことは嬉しいが…

トランクスより明るい性格で話しやすい。少々発言が無遠慮な気もするが、そこも彼の底なしの人懐っこさでカバーでされている…

そんな少年とが仲良くなったことに複雑な気持ちになってしまった。
(なんなんだ、この感情は…)


――。
その日の帰りは、カプセルコーポレーションから近いこともあり、夕日で紅く染った遊歩道(といっても人造人間に破壊されており、とても綺麗とは言えないが…)を歩いていた。

「今日はありがとうございました!これから毎日という訳には行きませんが一緒に頑張りましょうね!」

「はい、こちらこそ手伝ってくれてありがとうございます。オレも毎日は無理ですが一緒に頑張りましょう!」

「はい!でも、早速友達が出来て良かったです。シド、明日もいるかなあ…」

シド。その名前が出た途端トランクスはまた胸がモヤッとした。

「確か明日も参加するって言ってましたよ。」
そう言ってやれば、は嬉しそう笑った。

「ほんとですか?よかった、まだ一人じゃ心細いから…」

「…オレもいるから大丈夫ですよ」
トランクスはさり気なくそういった。
(しまった、思わず声が低くなってしまった…)
大丈夫だろうか、怖がらなかったか、との方を見る。
しかし心配は無用だった。

はちょっと不貞腐れたようにワントーン低くなった声にドキッとしていた。
は深い意味はない、と自分に言い聞かせる。

(トランクスさんはたまに勘違いしそうになる発言するなあ…)
はこれがヤキモチだったらどれだけ嬉しかっただろう、と想像をしながら答えた。

「ふふ、それもそうですね。トランクスさんがいてくれれば充分です!」
も人には言えないのだが…お互いふとした瞬間に垣間見える本音に振り回される。

トランクスはの返事に満足したのか、安心したように笑う。

今日はシドとも友達になったし、ボランティアも参加できた。
はとても満足して一日を終えた。
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