第8章 異世界生活一ヶ月目
こんな感じでスタートした異世界生活。
最初の一日こそ困惑したものの、なんだかんだで楽しく暮らしていた。
トランクスと買い物に行ってからは二人の距離は縮まったらしく、何も用事のない昼間はリビングで紅茶を飲みながら雑談するまでの仲になっていた。
「へえ、じゃあトランクスさんは基本はボランティアに参加しているんですね。」
「ええ、人造人間は消えたけど街の復興はまだまだなので。」
ボランティアか…はよくボランティアに参加していたこともあり、興味がわいた。
「あの…そのボランティアって具体的にはどんなことをするんですか?」
「そうですね…オレは他の体力仕事が得意な人たちに混ざってがれきの撤去などをやってますが、色々ありますよ。事務作業だったり、女性でも軽い運搬作業をしている人もいます。それぞれ得意なことを生かしてやっているかんじですね。」
「それって、私でもできたりしますか?お世話になっているのになにもお役に立ててないので、少しでも貢献したいんです!」
「ええ、もちろんいいですよ!オレもさんが来てくれると嬉しいです。」
他意はないと知ってはいながらも、はトランクスに嬉しいと言われたことが、とても嬉しかった。
「やったあ!早速明日、行ってもいいですか?」
「ええ、わかりました。では明日の朝十時に玄関で待っていてください。」
「わかりました!ふふ、とても楽しみです!」
は久しぶりにトランクスとブルマ以外の人と会えることにワクワクしていた。
(友達、できるといいなあ)
浮かれているとは反対に、トランクスは心配していた。
さんはただでさえ目を惹く容姿をしているのだから、ナンパされたりしないだろうか…
性格は大人なしめだが、話しやすく、聞き上手だ。
いつかオレ以外の男の人とも、こうやって仲良くなっていくのか…
トランクスは言い表せないたくさんの不安を抱いていた。
世間一般的にそれは嫉妬というものなのだが、恋をまだ知らないトランクスは、きっと仲良くなった友達がとられるのが怖いだけだ、と悲しい勘違いをするのであった。