第4章 戸惑いと、嬉しさと
お風呂から上がった後、ブルマから用意された着替えを見ては驚愕した。
な、なな…!?
そこにあったのは、ノースリーブで丈がとても短いトップスと、こちらもまた丈が短くダメージの入ったデニムのショートパンツだった。
(こんなの着れないよ〜!)
そう思いながらも文句は言えないため、渋々着替えた。
(この格好で今日一日を過ごすのか…)
誰にも会いませんように。というかトランクスさんにだけは会いたくない…!
そう思いながらリビングへと続く道の角を曲がったその時。
ドンッ!
「きゃっ!」
は想像していなかった衝撃に驚きながら前を確認する。
そこにいたのは…先程まで会いたくないと願っていた少年…トランクスだった。
「すっ、すみません!大丈夫ですか?怪我は…」
そこまで言った時点でトランクスは目を疑った。
彼女の着ている服…それは先程までの服とは違ってとてもトランクスには刺激の強いものだった。
「っ…!」
肌色の面積が大きすぎる…!
「えっと、その、これでも着てください」
トランクスは目も合わさずそう言うと、自分がさっきまで手に持っていたジャケットを渡す。
「えっ、でもトランクスさんが着ようと思って持っていたのでは…?」
「オレは大丈夫ですから。」
そう早口で答えると、手で顔を隠しながらじゃあオレはお先に、とリビングへ一人歩いていった。
「うっ…最悪だ…」
よりにもよってトランクスさんに会うなんて。
私のこんな奇抜な格好なんて見たくなかったに違いない。だからジャケットまで貸してくれたのだ…トランクスさんは優しいから、きっとそれをやんわりと伝えるように渡してきたんだ。
ネガティブにそんな事を考えながらジャケットに袖を通す。
…かなり大きい。肩の位置はほぼ肘の辺りまで来ていて、彼が着ると短かった丈もちょうど布が無かったお腹の位置を隠してくれる長さだった。
「これは…いわゆる彼シャツならぬ彼ジャケット…?」
なんて浮かれてクルクルと回ってみせる。
うふふ、と長い袖で隠れた手を顔の方に寄せて匂いをかいでみる。
「トランクスさんの匂い…」
とここまでやった所で正気に戻る。
自分は変態か…!