第5章 俺っちはそんなの認めないから!
「さてっと…これで全部かな?」
コンビニから出て、一二三の隣を
歩きながら私は買ったものを確認する。
おつまみも買ったしお酒も買った…。
買い忘れはないだろう。
「大丈夫そう?」
「うん。案内してくれてありがとね
助かったわ」
「困ってる子猫ちゃんの為だからね」
「子猫ちゃん…って、ぷっ…なにそれ」
最初の時の印象とあまりにも違いすぎて
つい笑ってしまう。
あの時はチャラいイケメンって感じだったけど
こうして話してみると紳士的…というか…
独歩が言ってたようにホストって話も頷ける。
女性恐怖症なんて嘘みた……あれ?
じゃあなんでコイツは私の隣を歩けてるんだ?
「…どうしたの?」
「え、いや…そう言えば一二三は、さ
ホストなんだよね?」
「うん」
「お、女の子のこと怖いって聞いたけど
私のことは平気なの?」
思い切って聞いてみる。
すると気の所為だろうか。
一二三の顔が一瞬だけ冷めたように見えた。
「平気だよ」
「へ、へぇ〜
でもあの時は固まってたよね?」
「あぁ…あの時はスーツを着てなかったから」
スーツを…着てなかったから?
私はそう言われて先日のことを思い出す。
…確かに、あの時は着てなかった。
一体どんな理由かは分からないけど
漫画みたいな人もいるもんだ。