第5章 俺っちはそんなの認めないから!
「あ、あの…」
「……」
寂雷はじー……と、何も言わずに私の顔を見つめてくる。それも据わった瞳で。
な、何か言ってよ…、正直気まずいし、こんな真っ向から見つめられると私も流石に恥ずかしいんだけど。
でもそれ以上にこんな大柄から見下ろされるのは怖すぎる。
気を抜いたら漏らしてしまいそうだ。
「………」
「………………」
「…………………寝るっ!」
「はぁ!?ちょ、ここで寝ないでよ!寝るならせめてベッドに…って、お、重っ……!」
しばらくの沈黙の後、寂雷はそのまま私に覆い被さるように眠り始めた。
それだけでなく、人の腰をがっちりホールドしてまるで抱き枕状態…。
寂雷の背が高いから、ソファからは足がはみ出ちゃってる。
絶対ベッドで寝た方がいいのに…、これだから酔っ払いは……。
「……給料入ったら家探そ…」
私はため息を吐いて、瞼を閉じた。
今日はこのまま寝てしまおう……。