第5章 俺っちはそんなの認めないから!
ふと、一二三が私のスマホに
視線を向けてることに気付く。
「もしかしてお使い?」
「あは…うん、
寂雷って意外と酒癖悪いんだね」
全然知らなかったよ、って頬をかきながら言うと一二三が私の反対側の手をとる。
「あの…?」
「この辺り慣れてなさそうだし
コンビニまで案内するよ」
えっと…。
「いいの?」
「もちろん
他ならぬ独歩くんの大切な人だからね」
一二三は柔らかい笑みを浮かべる。
あれ?昼間は認めないとか…言ってたような。
というかこの人ってこんなに紳士的だった?
それともスーツ着てるからそう見えるだけ?
でも悪い人じゃなさそうだし…なにより独歩の幼なじみって言うし…信用しても良いだろう。
「じゃあお言葉に甘えようかしら」
私はそのまま一二三に着いていくことにした。