第4章 選べるわけないじゃないですか
有栖を追いかけることが出来なかった
小生ですが、数分程して玄関を出ました。
しかしその頃には彼女の姿は
もう見えなくなっていて…。
どうしたらいいかわからなくなっていた時に
乱数と帝統が来てくれました。
それから先はお二人の知っている通り
乱数が機転をきかせて山田一郎に
有栖の捜索を依頼してくれただけでなく
乱数自身も有栖を探すのをわざわざ
手伝ってくれましたし
帝統は落ち込んでいた小生の隣で
ずっと励ましてくださいました。
いくつ感謝しても足りないくらいです。
彼が被害にあったばかりで
彼女を1人にして…危険な目にあったらと思うと
気が気じゃなかった。
乱数からの連絡だとかなり酔っていたみたいですし、なおさらでした。
だから有栖が山田家で保護されたことが
わかった時は本当に安心したんです。
…まあ、シンジュクで見つけたって聞いた時は
不安になりましたけど。
有栖はいつも小生の嘘を
笑って許してくれました。
だから今回も許してくれるだろう、なんて
そんなのただの甘えでしかなかったんです。