第4章 選べるわけないじゃないですか
面会謝絶になったのは犯人が誰か分からずじまいの事から「厳重に警戒するように」と上からの命令との事。
ただ…他に前例の無い事案だったのと相手が違法と言えどもヒプノシスマイクを所持してることから病院側も警察も下手に動けないらしい。
そういう話を聞いて、思ったよりも
状況を理解出来たことに自分でも驚きました。
親友の意識が戻るまで時間がかかるらしく
何年先になるか分からない。
安楽死させたほうがいいかもしれない。
そう言われましたが小生は彼に生きて欲しかった。
だがその為には莫大な治療費がいる。
それは丁度、小生が有栖と結婚する為に
貯めた額と同じでした。
本当はダメだとわかっていても
止められなかった。
それに有栖には悪いけれど
金はまた稼げばいい…。
気が付いたら小生は治療費を払っていて
「親友を助けてくれ」と頭を下げていました。
…その後
病院をあとにした小生は途端に怖くなった。
本当に犯人が小生の事を恨んでいたとして
小生のせいでアイツが狙われたのだとしたら
次は…有栖だ。