第4章 選べるわけないじゃないですか
その後、偶然通りがかった看護師数人が
小生を病室から連れ離そうとしてきました。
最初はわけも分からず、親友の傍を離れたくない一心で抵抗しましたが直ぐにかかりつけ医が駆けつけてきて、小生は押さえつけられました。
何故小生を彼から引き離そうとするのかと
訴えれば、2日ほど前から面会謝絶になっていたとの事。
窓口を担当した者が新人で事情を知らなかったせいで小生はその病室に通されてしまった。
そういう事だったんです。
小生はそれでも彼から離れたくなかった。
だってまだ話は終わってない。
あの頃のように「君の話は面白いね」と
可笑しそうに笑う彼の顔を…まだ見ていない。
縋るように彼に合わせてくれと頼んでも
医者が首を縦に振ることはありませんでした。
ならせめて、どうして彼があそこまで
弱ってしまったのか知りたいと申し出たら
医者は少し迷った素振りを見せながらも
話してくれました。
“違法マイクを使われた形跡がある”
何者かが病室に侵入し、病で床に伏せる彼を
違法マイクで精神干渉を強制的に行った結果
極度の栄養失調になってしまった。
…違法マイクが使われたあとの病室には
粉々に破られた小生の写真と
小生の書いた小説が捨てられていたそうです。
考えるのも恐ろしいですが犯人は一方的に
小生を恨んでる可能性が高い様で
それで小生の親友が狙われた。