第4章 選べるわけないじゃないですか
「……嫌じゃない、嬉しい…」
ああ、なんて愛らしいんだろうか。
嬉しさから目に涙を滲ませ微笑む彼女を
強く抱きしめたい衝動に駆られました。
「愛してますよ」
「うん…」
「ずっと一緒にいたいです」
「…私も」
有栖の手を取り
軽く指先に口付けをすると
有栖は当然とばかりに
小生の額にキスをした。
お互い向き合って見つめ合えば
吸い寄せれるように
互いの唇が重なり、熱い舌が絡み合う。
何度も何度も角度を変えて2人の息を混じり合わせやがて離れていく唇に名残惜しさを感じながらも
小生は有栖のことを抱きしめた。
彼女も身を委ねるように頭を胸に持たれさせてくる。
「っ…はっ…
でも急に言うからびっくりしちゃった」
「…すみません」
本当は急じゃないんですけどね。
前からプロポーズしようと思ってたので。
やっと準備が整ったんですよ。
気持ちが先走ってつい今言ってしまったけど
指輪も近々買う予定です。
結婚資金だってもう貯めてあります。
全てこの日の為に4年間を彼女と過してきました。
これから先も彼女といたい。
愛する有栖と家庭を持ちたい。
…この人と家族になりたい。
確かにこの気持ちは
嘘じゃなく本物だったんだ。