第3章 だからって俺を巻き込まないで
「幻太郎、なんて言ってたんだっけ?」
「え?そうだなぁ…」
「や、やめてください!あれは酔った勢いで!」
「…『わからず屋』だったかな」
…わからず屋なのはどっちよ!!!!
「もういい」
「え?」
私は一言そう言って立ち上がる。
すると3人はキョトンとしたように私のことを
一斉に見た。
「結婚の話は嘘だったのよね?」
「…は、はい」
「その理由は話せないのよね?」
「…はい、今は…時が来たら話しますから」
「悪いけど、私はそれまで待てない
今ここで話せないなら別れるわ
ずっとモヤモヤした気持ちであなたと居ても
私もあなたも気まずいし、幻太郎にも失礼だと思う」
話せるなら話してよ。
そう問い詰めれば幻太郎は目を逸らす。
「…すみません…」
……どうしても話せないのね。
「じゃあ終わりね、私達…」
私はそう納得し、独歩のいる席へと向う。
独歩はギョッとして私を見上げた。