第3章 だからって俺を巻き込まないで
「私は」
答えを出そうと口を開いたその時だった。
「あっれー?幻太郎じゃん!なになに?
何してんのー?」
「乱数!?」
私達の間に割り込んできたのは飴村乱数。
まさか昨日の今日で会うなんて…。
「あー!昨日のオネーさん!
幻太郎の知り合いだったんだねぇ♡
僕びっくり☆」
「何が…びっくり☆よ
最初から全部知ってた癖に」
「あはっ…☆」
ぺろっと舌を出して誤魔化す乱数は
悔しいけどどこの女子よりも可愛い。
怒るに怒れないでいるとまた新しく
店内に人がやってくる。
今度は幻太郎と同じくらいの背丈の
青髪の男だった。
「乱数〜、ほんとに幻太郎がここにいるのかー?」
「帝統〜!もちろんっ!ここにいたよ!
さっ、幻太郎行こ♡♡」
「は!?ちょ、待ってください!
小生はまだ有栖に話が!」
乱数に引っ張られて戸惑いながらも
幻太郎は抵抗する。
私はまず脳内処理が追い付かなくてパンクしそうだ。
「えー?何話すって言うのさ
あんな嘘ついた癖にさー
それにもう別れたんでしょ?
慰めてあげるから、ねー、行こーよー!」
「私はまだ別れると言ってないです…!
大体慰めるってなんですか!
必要ないですって!」
…なんというか、大変だなぁ…。
そんなことを思いながらオレンジジュースを
飲もうとして…それがないことに気づく。
あれ?と、顔を上げると青髪の男が
勝手にそれを飲んでいた。
ふざけんなクソ野郎。