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【R18ヒプマイ】だからと言ってこれはない

第3章 だからって俺を巻き込まないで




…なのに、1番付かれたくない
嘘をつかれてしまった。

私、本当に嬉しかったんだ。
幻太郎の家族になるのがすごく喜ばしいことだった。
柄にもなくはしゃいだりもしていた。
いい奥さんになろうって、お料理教室なんかも通って
花嫁修業なんてしてさ。

…でも、あのプロポーズは幻太郎にとって
いつもの戯れである嘘。
私はただ振り回されて舞い上がっていただけ。

いつもは笑って許すのに
今回ばかりは許せなかった。


「……ごめんって…俺に謝られても」

「分かってる、私が謝りたいだけ」

「…いや、そもそもさ…事情は分かったけど
それでなんで有栖は俺のとこに来たの?」

飲み終わりかけのコーヒカップを置き、
独歩が私の目をまっすぐ見つめる。

私は「そんなの決まってるじゃない」と、
目を細めるようにして笑顔を作った。

「1番頼れそうだったからよ」

「本音は?」

「消去法」

だって他の女友達をこんなことに巻き込む訳には
いかないしね。
でも独歩ならセーフなのだ。
なんでって?それは彼が独歩だから。

「消去法でもなんでも
だからって俺を巻き込まないでくれよ…」

今日大事なプロジェクトだったのに
俺だけ仕事休んで明日からもっと
風当たりが強くなるんだ…。
と、独歩はブツブツと愚痴を垂れ流す。

そこは私が上手いとこやっといたから
大丈夫なんだけど…
面白いからこのまま見ていよう。

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