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【R18ヒプマイ】だからと言ってこれはない

第1章 締め切り前の原稿に墨汁こぼせ!




「そぉ?どっかで見たことあると思って
声掛けたんだけどなぁ…どこだろ?」

うーん、うーん、とまたもや首を捻り始めるが
会っていたら忘れる訳ない。
私が。

だけどひとつだけ心当たりがあるとすれば。

「幻太郎が前に見せてくれた写真の子に…」

そう、幻太郎の持つツーショット写真だ。
交際中私達はよく写真を撮っていた。
けどそれは幻太郎の友達に見せて
「面白い話」を聞かせる為のもので
2人で取ったツーショット写真は
たったの1枚。


それがまだ幻太郎の方のフォルダに残ってるとしたら
なにかの弾みで見せられても不思議じゃない。

私だって、交際中は彼氏の写真を
よく女友達に見せてた。


少しだけ幻太郎との過去を思い出す。

私と幻太郎は高校時代の同級生だった。

これでも私って結構モテたんだ。
クラスの中でもキラキラしたグループの
中心だったし友達も沢山いた。
他校には1つ年上の彼氏なんかいてさ
まあ、高校卒業を目前に別れちゃったけど
普通に性格の気も合ったし
身体の相性も良かったと思う。
…思う、ってのは、その人が初めての相手だったし
それ以外は知らなかったから多分そういうもんなんだと思ってた。

勉強も運動も…恋も充実してて、毎日が楽しかった。

幻太郎のことなんて、全く見もしなかった。
本当に正反対だった。

だけど私達がいた場所は本当に狭くて小さくて
幻太郎が「貰い子」なんて噂は
私の耳にも入ってきてたくらいだ。

貰い子と言うだけで…ううん、当時の彼の持つ空気は
何だか近寄り辛くて
誰も声をかけることすら出来なかった。

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