第1章 愛しい君は半透明人間
その後、調査兵団は多くの犠牲者を出しながらも無事に壁内へと帰還した。
外門をくぐったとき、リヴァイの傍らにいたは大きく安堵のため息を吐いた。
「やっと、帰ってこられた…」
彼女は馬に乗っていない。というより、フワフワと宙に浮いていた。リヴァイが馬で走る横を、鳥のように飛んできたのだ。
安心した様子のを見て、リヴァイが問う。
「、お前はいつか居なくなってしまうのか?」
それに対しては首をかしげた。
「…私、壁内に戻ったら、成仏…というか消えるのだと思っていました。でも、消えていない。…私にもよく分からないんです」
「…そうか」
そもそも、今のの存在自体が不可思議なものなのだ。自身、今後どうなっていくのか分からなくても仕方のないことだろう。