第1章 愛しい君は半透明人間
執務室にこもり、膨大な量の資料に目を通す。
カリカリとペンは淀みなく動いているが、リヴァイの頭の中はのことでいっぱいだ。
(急にあんな事を言い出して、何かあったのか?今どこにいるんだ?危険な目にあってなきゃいいが…)
「危険な目に」と自分で想像した途端、リヴァイはソワソワと落ち着かなくなってしまった。
だが、きっとは兵団の敷地内にいるだろう。一人で遠くには行くなと言ってあるから、その約束を破るようなことはしないはずだ。
それに、離れてから数十分で追いかけて行ったりしたら、きっとは怒るだろう。
はいつだって真面目に怒っているのだろうが、リヴァイにはその姿は、子猫が必死になって唸っている様にしか見えなくて、ただただ可愛いと思ってしまう。
そんな自分は末期的であると思っているが、可愛いものは仕方ないと開き直っている。
反省するつもりはないし、その必要もない。