第1章 愛しい君は半透明人間
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がいなくなってから幾日もの時が流れた。
亡骸は今も見つかっていない。だから、リヴァイは期待してしまう。もしかしたら…と。
それが悲しい妄想であるということは自覚していたが、どうしてもそれを止めることはできなかった。
(逆に、良かったのかもしれないな。無残に食いちぎられたあいつの姿を見ちまったら、俺はきっと気が狂ってしまう)
想像の中のはいつも楽しげに笑っていて、春の日だまりのようだった。
きっとはもう死んでいるのだろうと頭のどこかでは理解している。
だけどそれをリヴァイは認めたくなかった。どうしても諦めきれなかった。
(もしかしたら生きているんじゃないか)という思いを捨てきれなかった。
がいないという現実は、日々重さを増して残酷にのしかかってくる。
(会いたい…例えそれが幻であっても構わない…)
リヴァイは切に願った。