• テキストサイズ

【進撃の巨人】愛しい君は半透明人間

第1章  愛しい君は半透明人間


「わたし…っ、死んじゃってます…っ」

「あぁ、知っている」

「普通の夫婦には…なれませんっ」

「一緒にいられれば、俺はそれでいい」

「子どもも産めませんっ」

「お前がいれば十分だ」

「わがままですよ…っ?」

「お前のわがままなら、いくらでも聞いてやる」

「気まぐれで、勝手です…っ」

「俺は猫派だから、気にしない」


 は泣いていた。子どものように、しゃくりを上げながら。
 ポツポツと発せられる言葉に、リヴァイは一つ一つなだめるように答えてやる。


「……いつか消えちゃうかも…っ」

「それは許さねぇ。消えるなら俺も連れて行け」


 リヴァイは急に真剣な顔になって、まるで言い聞かせるように言った。


「お前と一緒にいたいんだ。お前をどこにもやりたくねぇ。昼も夜も、壁内でも壁外でも、生きてても死んでても、お前が隣にいなくちゃ俺は嫌なんだ」


 いつの間にか、リヴァイの頬にも涙が伝っていた。


「だから、俺の側にいろ」


 次の瞬間、フッとリヴァイの視界は暗くなる。が覆いかぶさるようにして抱きついてきたからだ。


「はい…っ、兵長ぉ…っ」

 その華奢な身体を抱きしめ返してから、リヴァイはまるで掲げるようにしてを抱き上げると、くるくると回り始めた。

 その弾みで、二人の目から流れ落ちていた涙は吹き飛んでしまう。


「それとな、兵長ってのはもうやめろ。名前で呼べ」


 リヴァイは笑った。
 普段しかめている顔を最大限に緩めて、人生で一度もしたことがないほどの笑顔を浮かべた。

 それを見たは一瞬呆気にとられた後、声をあげて笑ったのだった。


「はい!リヴァイさんっ」



 お揃いの銀の指輪をつけて帰った二人が、ハンジ達から祝福を受けたのは言うまでもない。

/ 40ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp