第1章 愛しい君は半透明人間
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の行きたい場所、それは以前二人で見に行った花畑であった。街を抜けた先に花畑はある。
街中を歩いていく二人。しかしその姿は、人々の目にはリヴァイ一人で歩いているようにしか見えない。
これでもしも、と手をつないで歩いていれば、年甲斐もなく男が一人でウキウキと手を振り回して歩いているように見えていただろう。
リヴァイは別に気にしなかったが、それではいたたまれないとが心配してある方法を提案したのだった。
「こうやっていれば、全然不自然じゃないですね」
そう言って至近距離でニコニコと笑うの顔を見て、リヴァイはフイと視線を逸らす。
「まぁ…悪くねぇ」
向こうを向いたリヴァイの形の良い耳が紅葉の葉のように赤くなっているのを見て、思わずリヴァイを抱きしめたくなるだった。
リヴァイは今、ズボンのポケットに両手を突っ込んで歩いている。
その腕に、は腕を絡めて抱きついていた。
こうすればリヴァイは自然に歩いているように見えるし、手をつながなくてもとはぐれる心配はない。
何よりデートっぽくて嬉しい。