第1章 愛しい君は半透明人間
リヴァイは最近のの変化について、ハンジに説明した。
半透明だった身体がくっきりと輪郭を持つようになり、ドアや壁をすり抜けることも出来なくなった事を。
「なるほど…。つまり、どんどん生きている人間のようになってきているということなのかな…?」
ハンジは、つと手を差し出した。
「、私の手を握ってみてくれないかな」
「こう、ですか?」
ハンジのスラリとした長い指を、の小さな手がふわりと包み込む。
「!前の時よりもはっきり感じるよ。理由は分からないけど、確かに変化してきているのかも。もしかしたら、今だったらエルヴィンも分かるかもよ」
「私がどうかしたのか?」
いつの間にか部屋の入口にエルヴィンが立っており、こちらを見て「何事だ」という顔をしていた。
「団長!」
は思わず声を上げたが、やはりその声はエルヴィンには聞こえないようだった。
「エルヴィン、手を出してみて」
「…?がいるのか?」
ハンジに言われるがまま手を差し出すエルヴィン。リヴァイも部屋にいることから、十中八九も室内にいるものと判断したらしい。
ハンジにやったようにエルヴィンの手も握る。
その瞬間、ビクンとエルヴィンの肩が揺れ、ワナワナと震え始めた。