第2章 個性の暴走
「君には、頼みたいことがある。」
根津さんはそういった。
『頼みたいこと、ですか?
なんでもいいですよ、根津さんの頼み事ですし。』
「君にはね、雄英高校に入ってヒーロー科A組の生徒兼副担任をしてもらいたい。」
雄英高校…、元々入学は決まっていたが、生徒のみならず副担任。
『副担任…、ですか。
それはまた何故です?』
「君はもうヒーロー免許も取得しているし、本当は雄英高校に入るメリットがあまりない。でもね、高校は卒業しておかないといけないという理由で入らなきゃいけない。
そういう事なら、君には副担任を任せたい。
大丈夫かい?」
そう、私には高校に入るメリットがあまりない。
勉強は一通り終わっているし、今年の始めにはヒーロー免許を取得している。
だが、高校は卒業しておかないといけないなということのみで入る。
根津さんからの頼みなら仕方がない。
『いいですよ、副担任。
私でよろしければ、受け持ちます。』
「ありがとう!君が副担任してくれるのは心強い!
でも条件があるよ。」
条件…?
『条件、ですか。』
「そう!条件!
君は身体能力、頭脳、個性。全てにおいて人間以上だ。
君は必要以上の個性の使用は禁止だよ。いいね?」
そう、私は身体能力も頭脳も、そして個性も全てにおいて人間じゃない。
速さも強さも、オールマイトと比べても同じくらいだろう。
だがまだ目立たない活躍をしている為、ヒーローとしての活躍はまだない。
ヒーロー活躍は高校を卒業してから、という条件でヒーロー免許を取得した。
『わかってます。
でも、こんな生徒なのに副担任の私の言うことなんてきいてくれるのでしょうか?』