第2章 個性の暴走
§轟side§
『私は、黒神ミコだ。』
嗚呼、やっぱりだ。
彼女は5年前に行方不明になった俺の幼馴染みだ。
そして_、俺の初恋の相手。
忘れたことなんてねェ。忘れられるわけがねェ。
俺が辛い時、泣きそうな時。
楽しい時、嬉しい時。
一緒にいた。
泣きそうな時はコイツが慰めてくれた。
だが_、ミコは変わってしまった。
真紅の目。記憶のないミコ。
ずっと探していたんだ。
雄英高校に入るならまた会えるだろうと言っていた。
彼女も雄英高校なのだろうか。
彼女のことをアイツは知っていたのだろうか。
「嫌だが聞いてみるしかねェな……」
俺は急いで家に帰った。
彼女の記憶は戻るのだろうか_、などと考えながら。