第4章 銀魂短編・SS
6限目の終了のチャイムが鳴り、帰りのHRも終わる。
結局、高杉くんは来なかった。
帰り支度をして、日誌を職員室にいる先生に届けて帰る。
次の日、いつも通りに登校する。
…ん?
思わず見間違いかと目を擦る。
見間違いじゃない。いる。あの高杉くんが。
しかも、日直の仕事を、している?!
声、掛けてもいいかな。
『あ、高杉くん』
「か。昨日は悪ィな」
『え、全然気にしてないよ!日直、頑張ってね!』
ひらりと手を舞わせ、何事もなかったかのように自分の席に座る。
ちょ、ちょっと緊張したけど、変には思われなかったかな。
それから後も淡々と日直の仕事をこなしている高杉くん。
本人には悪いけど面白いものを見ているようで目が離せない。
他の生徒のみならず先生方も同じらしく高杉くんは目立っていたが、
人の視線などもろともしない所は相変わらずなようだ。
視線が集まっているのは高杉くんだけではない。
視線の的である彼が。私を見てる。
何だろう、何かあるなら言ってくれればいいのに。
なんて、話しかけることも出来ず、
今日もちょっと変わった一日が終わる。