第4章 銀魂短編・SS
帰り支度をして、いざ帰ろうとした時。
「、ちょっといいか」
『は、はい!』
突然のことで裏返った声が出てしまったが彼は気にしない様子で続ける。
どうやら、もう教室には私と高杉くんしかいないようだ。
「俺の彼女にならねェか?」
『は、い…?!ええ?!か、かの…?』
心拍数が上がりまともに話せなくなる私を冷静に見守る彼。
これ、ホント?ドッキリとかじゃないの??
半信半疑でその冷静に見つめる目を見返す。
…冗談ではなそうだが、
いっそ冗談であってくれたほうがマシといわんばかりに高鳴る心臓。
こうなったら覚悟を決めるしかない。
これから後のことなんて考えられないし!
『私で良ければ、その、よろしくお願いします!』
ぎゅっと目を瞑り、お辞儀をしながら右手を差し出す。
あれ、これ、あってるんだろうか?
彼氏いない歴=年齢の私には告白された時の対処法なんて知らない。
「よろしく、名前。俺のことも晋助でいい。」
そう言いながら思いの外優しく右手を握り返され、握手の形になる。
まあ、いきなり名前呼びされたのは驚いたが、
ひとまずは良しとしよう。
『し、晋助、くん』
「呼び捨てにしろ」
『晋助……、くん…』
ごめんなさい、呼び捨てには抵抗が…!
多少怪訝な表情をしているものの、渋々受け入れられたらしい。
それからというもの、
予想に反して二人とも初々しいお付き合いを始めるのだが…
それはまた、別の話。