第4章 銀魂短編・SS
日直の報酬
右の隣の後ろの席は、今日も欠席。
席の持ち主の名は、高杉晋助。
欠席でなくても空席の場合が多い以上、気にする人はほぼいない。
いわゆる不良の部類に入る彼と関わりたがる物好きはいない…と言いたいところだが、
このクラスに変わり者が多いせいでそれすらも目立たない。
不良とは言ったものの、そんなに悪いことはしていない…と思う。
普通の目立たない女子高生が
何故そんなことを気にしているのかというと、
一昨日、彼に直接、日直を代わってほしいと頼まれたからだ。
何故というならこの事実こそ謎だ。
だって彼くらいの人になればいちいち言わなくてもすっぽかせばいいはず。
……、私が考えたところで答えなんて出ないのだけれど。
今日がその、日直を代わった日で、私の本来の日が明日。
日直を代わること自体は何も思わない。
それは誰であっても同じ。
でも、あの高杉くんがわざわざ人に頼むんで休む程のことって何だろう。
気になって、気になって仕方がない。
おかげで授業も上の空。
目の前にはいつもより気だるそうな白髪頭が…って、先生?!
「おい、生きてるかー?
俺が言うのも何だが、一応先生だからな。注意はしたぞ?」
『ご、ごめんなさい。生きてます!聞いてます!』
そうかそうか、じゃ、話戻すぞー、と言いながら授業を再開する先生。
あー、私何やってんだろ。
別に高杉くんが何やってたって私には関係ない。