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菊丸英二誕生祭:短編集

第4章 これからの日々。(テーマ:入学式)


今日は、青春学園中等部の入学式。
新しい制服に身を包んで、わくわくドキドキしている。
今までは小学生で、ランドセル背負って私服で…6年生といえど、なんだか子供っぽくていやだった。
でも、もうランドセルとはおさらば。

なんてったって中学生なんだから!

そして入学式早々、遅刻しそうなわけで…。

「遅刻遅刻―!!」

ん?でも違う!今言ったの私じゃない!!

「あれ?君も遅刻しそうなの?」

必死で走ってる私の横を通り過ぎて数歩いたところで止まって私を待つ男の子。
制服からして、私と同じ学校の人だと思う。
そして、体格やその制服の着古した感じからして、おそらく先輩。

「はいっ、今日…入学式っ、で…」

運動なんてほとんどできない私は、走り、息を切らしながら答える。

「ほんじゃ、一緒にいこう!」

そして、その先輩は私の手を取って、走り出した。
早いけど、足が回らないけど、一人で走るよりはちょっと楽かも?なんて。

っていうか、私男の人と手をつなぐのは初めて!?



「っ、はぁ…、はぁ…、」

「ギリギリセーフだにゃっ!」

「ありが、とう…ございますっ」

校門につき、にかっと笑う先輩にお礼を伝えると、先輩は照れ臭そうにほほを掻いた。


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