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菊丸英二誕生祭:短編集

第3章 陽だまり。(テーマ:ぽかぽか陽気)


今日から私も三年生。
進級式なんてただただ退屈なだけだから、私は屋上に来ていた。
ぽかぽか暖かいけど日陰は寒くかんじる、まさに春。
こんな日は、人だって日光浴をしたくなる。

誰もいない屋上の真ん中に大の字になってみる。

…うん、気持ちいい。

ここちよい暖かさが私を包んでいく。
その暖かさを感じているうちに、ゆっくりと瞼が閉じていった。

「いっちばんのりー!!」

「英二、残念だけど、もういるみたいだよ。」

「えー!?…あれ?寝てるのかにゃ?」

どのくらい時間がたったのか…そんな二人の男の子の会話に目が覚めた。

「…寝てます。」

でも、もう少しこうしていたいな、なんて思って体を起こさずに答えた。

「あーっ!!きみ、もしかしてさん!?」

「……」

元気な…正直うるさく感じる子の声を聞き流しす。

「寝てるのもいいけど、もう時期たくさん人が来ると思うよ。さ、英二、お昼食べようか。」

もう一人の、落ち着いた声はさすがに聞き流すことができなかった。
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