第2章 垂れ桜と女の子。(テーマ:桜)
そんな恋の話もほどほどに、
俺たちは部活に向かった。
「キャーっ、リョーマ様!頑張って!」
いつもの声援。
越前のクラスの女の子、小坂田さんらしい。
うちの学校は、氷帝のように騒がしい応援はないけど、彼女の応援はもはや恒例となり始めてた。
「キャーっ、菊丸せんぱーいっ!!」
!?
「クスッ、英二にも熱狂的なファンができたね」
「えーっ!?」
小坂田さんの隣には、見かけない女の子。
小坂田さん二世とでも言うかのように、元気いっぱいだった。
昨日の子とは大違いにゃ…
小坂田さんは家のこともあるから、いつも途中で帰るけど、
新顔の子は部活終わりまでずっと見てた。
「英二先輩、私、って言います!よかったら一緒に帰りましょ!」
「……大石ぃ!」
あまりにも積極的で困る。
俺だって、初めて会った子と二人で帰るなんてちょっと気まずいって思う。
でも、そんなことお構いなしに、
「まぁまぁ、こんな遅くまで見ててくれたんだし、送ってやれよ。英二。じゃあ、また明日。」
と、大石は帰ってしまった。
もーっ!!
大石のやつ許さないぞーっ!!