第2章 垂れ桜と女の子。(テーマ:桜)
ある川沿いの垂れ桜の下に、その女の子は立っていた。
赤地に白い大きめの花が描かれているシンプルな着物がその女の子を際立たせていた。
その子との距離はちょっと長くて、テニスコートの半分くらいあった。
目が話せずにいると、後ろ向きだった彼女がこちらを向いてにこっと笑った…
「そのとき、俺、ドキドキしちゃったんだよねーっ」
「英二先輩、単純っスね。」
「なんだとおちびー!!」
ほんの数日前の日曜日の話を、後輩たちに聞かせていたところだった。
不二もいたし、乾も聞きたいって言ってたけど、
乾にはきかせてやんない!
だって、データとられちゃうじゃん!
「にしても、英二先輩に春か~。聞いてると、その人大人しそうっスね!」
「くだらねぇ」
「んなことねぇだろマムシ。」
「やんのかコラ!」
「桃、海堂、ストップ。たしかに、大人しくていい子なんだろうね。」
いつでもどこでも喧嘩を始める海堂と桃。
それを宥める不二。
そんな日常が、恋をした俺には輝いて見えた。
また会いたいにゃー…!