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菊丸英二誕生祭:短編集

第7章 星に願いを。(テーマ:星)


別に、英二のことが嫌いになったわけじゃない。むしろ、大好きだ。
けど、中学に入ってぐっと大人びてきて、かっこよくなって、
それなりに女の子から人気が出てきて、幼馴染って言葉が、なんだかむずがゆくて
一言でいえば、恥ずかしい。

いつ、だれかに取られてしまうかもわからない。
それでも、素直になれない自分が嫌で私は屋根に上がってきたんだ。

「んで、なにしてんの?」

「静かに、上見てればわかるから。」

一足先にアイスを食べ終えた私は屋根に寝転がって空を見上げた。

沈黙が数分過ぎ、英二もアイスを食べ終えたようで隣に寝転がる。
小さいころには一緒に寝転がっていたけど、

「久々だねん。二人で寝転がるの。」

…英二も同じことを思っていたらしい。
こっそり英二の顔を盗み見ると、整った顔が星の光に照らされてキレイだった。

「…でも、小学生のときは可愛かった。」

「えーっ!?今は!?」

「うるさい。」

かっこいいなんて、言えるわけないでしょ。

そう思ってごまかしたその時だった。
たった一瞬。

しゅーっとかすかな音をたてて星が一筋流れた。

その一粒の星をはじめ、どんどん星が流れていく。

「うわぁ…!」

隣で驚きを隠せない様子の英二。

「流れ星なんて初めてみたにゃーっ」
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