第1章 弱点
ミケのキッカケはこうだった・・・。
兵士が寝静まった深夜、喉の渇きを覚えて食堂に向かうと
お酒を飲んでいるナナシに出会した。
「何の酒を飲んでいるんだ?」と尋ねたら満面の笑みで
「またたび酒だ」と言って分けてくれた。
そこまでは良い。
正直酒の味はそこまで美味しくなかったが、ナナシと
二人きりで酒の説明を受けながら飲むなんて滅多にない事だ。
しかも酒の効能か何かで血行も良くなったらしく
気分的にも肉体的にも「催して」きてしまったので
ミケは必死に我慢していた。
ところが、そんなミケの様子に気づかず酔ったナナシが
「ミケは鼻をスンスン鳴らして犬みたいなのに仕草は
猫みたいだ。猫はまたたびに弱いと聞くがお主は
どうなのだ?」と挑発(ミケ主観)してきて一気に
爆発した。
襲いかかったらグラスを割らないようにしようとしたのか、
ナナシの動きが一瞬だけ鈍くなったのでその隙に抑え込み
致した・・・という流れだったらしい。
「最低だな、ミケ。私はおまえを軽蔑する」
「恋愛対象圏外なら大人しく引っ込んでろ、猫扱い」
ミケの話を聞いたエルヴィンとリヴァイが自分達の行動を
棚上げしながら非難してきたのでミケも言い返す。