第1章 弱点
「エルヴィン!最近ナナシがやつれて元気が
無くなっているんだけど何か知らないかっ!?」
ハンジがノックも無しに団長執務室に入ってきたので、
エルヴィンは呆れたように息を吐きそれを窘める。
「ハンジ。入る時はノックをしてからにしろ」
「そんな事言ったってナナシの様子が尋常じゃなくて・・・
って、あれ?リヴァイとミケもいたんだ。・・・つーか、
何で三人怪我してんの?」
ハンジが疑問を口にしながら室内をよく見ると
書類や家具などの破片が散らばっており、
もう一度三人の姿をまじまじと見つめた。
よく見れば三人は今の今まで殴り合っていたのか?
というレベルでボロボロになっており、互いに向かい合って
ファイティングポーズまで取っているではないか。
「・・・ねぇ、マジで何してんの?喧嘩ってレベルには
見えないけど・・・」
すると三人はギッとハンジを睨みながら口々に叫んだ。
「こいつらが私のナナシに手を出したからだ!」
「自分の事棚上げした奴が何言ってやがる!」
「ナナシはおまえだけのものじゃない!」
エルヴィンの叫びを皮切りにリヴァイとミケが彼に怒鳴りつける。
その様子を見たハンジは色々と察し、目を据わらせながら
再度三人に問うた。