第1章 弱点

私の愛するナナシはガードが堅い。

対人格闘がとてつもなく強いので
下手をすると半殺しの目に合うし
彼の出自故に普段からどことなく
一線を画されているようで警戒心も強い。




―――が、ある日ほんの一瞬の隙をつけば
あっという間に陥落出来る事に気づいてしまった。




ナナシは人間嫌いという割にとても優しい。
というか甘いレベルだ。
見知った相手にはついその警戒心も薄れてしまうようで
隙が生まれる。




なので私はその隙をつきまくる事にした。