第1章 弱点
「まぁ、ナナシが『何か物があるとそれを庇って自分の守りが
手薄になる』という弱点を知れたから良かったとは思ったが
・・・まさか、リヴァイとミケがそれに気づいていたとは
大誤算だったよ」
ギロッと殺気立った双眼でリヴァイとミケを睨みつけた
エルヴィンの姿を見て、ハンジは何で三人が殴り合いを
していたか漸く理解する。
要するにいつもの『ナナシの取り合い』だ。
しかもいつもならエルヴィンが優勢だったのに、
リヴァイとミケまでもがナナシの弱点を知ってしまったから
余計に揉めている感じだろう。
あのナナシを簡単に抱ける攻略法が見つかったのなら、
なかなか手を出せなかったリヴァイとミケがそれに
漬け込まないはずがないし、エルヴィンが怒らない訳が無い。
「めんどくせー・・・」
良い大人っつーかおっさん達が、
実年齢ジジィで見た目美少女のナナシ(♂)を
取り合うって毎度の事ながらどうよ?
呆れ返って言葉も出ないが、何とかこの馬鹿共の暴走を
止めなければ近い将来調査兵団が壊滅させられてしまうので
ハンジは何とか知恵を絞ろうとするものの正直やってられない。
「漸く2、3日毎に抱けるようになったというのに、
ナナシが辛そうにしていたのはおまえ達が強姦していたせいかっ!?」
「はぁっ!?ちょっと待て。俺だってそのくらいの頻度だ」
「俺もだ。という事はナナシは毎晩のように誰かに
抱かれていたって事なのか?」
エルヴィン、リヴァイ、ミケの会話にハンジは
「無いわー」という感想を抱く。
もしかしてここ2、3週間、こいつらに強姦されまくりだった訳?
そりゃ、いくらナナシでもボロボロになるわー。
しかも誰にも相談出来ず(エルヴィンにバレたらナナシも
強姦相手もヤバイ事になる為)、ずっと溜め込んでいる訳か。
この強姦野郎共に止まる気配が無いから本当にまずい状況である。
もうどうしろって言うの!?
投げやりになりながらハンジが何となく喧嘩で散らかった
室内を見渡しているとドン引きするものが目に飛び込んできて
絶句した。