第1章 出会いなんて唐突すぎて。
審神者side
一期一振さんが弟達に埋もれている光景を見て、私は満足したのかその場から台所に足を運んだ。
やっぱ、いつ見てもこういう奇跡的な再会…で良いのかな?
奇跡的なヤツは見てて胸が苦しくなって駄目だ。
私には耐えられない。
「あ、主。」
「あ、加州…先刻はありがとうね。」
曲がり角を曲がろうとしたら目の前に加州が居た。
まるで待ち伏せしていたかの様に。
「……折角なんだから、最後まで見てれば良かったのに。
感動的なシーンは見ないと勿体無いよ。
現実ではそんなにこんなthe奇跡みたいな、ドラマチックな事は滅多に無いんだからさ。」
「私は、そういうの最後まで見られないんだって。
なんか胸がモヤモヤしてしょうがないんだよ。」
物語のクライマックスシーンはどうしても見られない、
私は何処か人の幸せなシーンを否定している。
「それは、主が嫉妬してるだけでしょ?」
次の瞬間、加州が私に抱き着いてきた。
「…………俺と主がそういう関係になれば変わるんじゃないの?」
そういう関係。
イコール恋仲、家族。
「ねぇ主。
俺が主の孤独を埋めてあげる…だからっ」
「加州。」
私が加州の名前を呼ぶと抱き着くのを止め、何処か寂しそうな子供の様な顔をする。
「言ったでしょ?私は当の昔に女をゴミ箱に捨てたんだ。
だから、そういうのは求めてない。
私と一緒に居ると、ろくな目に合わないよ。」
「…………」
「…ごめんね、加州の気持ちは分かってる。
だけど、如何しても無理なの。」
私の身が持たない。
「私が求めてるのは「強さ」だけ。
ただそれだけ………本当にごめんね、加州。」
空気が重くなった。
こんな所他の刀剣男士に見られたら厄介だ。
「行こっか加州。今日の献立見に行こ。」
私はこの場を温めるためにわざと明るく接した。
加州は「うん、行こ。」と微笑んだ。
「じゃあ先に行っとくよ。」
私は再び足を動かし加州と擦れ違う。
加州の気持ちは嬉しい。
だけど、やっぱり無理だよ。
繰り返しちゃう。またゼロからになってしまう。
私は、一人じゃないと駄目なんだ。
「………それでも、俺は主を諦めない…。
どんなに否定されても俺は諦めない。
俺は、主の事が好きなんだ。」