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分からないだけ

第2章 心の距離は月と地球よりも遠い


私を押し倒す主。

それに心拍が上昇する私。

朝なのに、しかも皆が居る食堂なのに、こんな事して良いのだろうか?


主は真剣な顔で私の顔を見るが、緊張と共に別の事を考えてしまう。

弟達に見られたら教育に悪いだろうか。

主の髪、綺麗だな。

良い匂いがする。


段々と主の顔が私の顔に近づいてくる。
私は不意にギュッと瞼を閉じた。


でも思っていた事は起きなかった。


「主…その。」


気づけば主は元の体制で私を見下ろす。
まるで、可笑しそうに、軽蔑するかのように私の顔を見る。



「言ったでしょう。それ以上の事は求めないで、と。
そろそろご飯を取りに行きましょうか。冷めてしまいますよ。」


「は、はい…」



            恥ズカ死イ。



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「ハァァア…」

私は茶室で深い溜息を吐いてしまった。

この気持ちは一体何だろうか。
一言で言えば「疲れた」だろうが、同時に何かを考えている。


「如何した一期。顕現して初めての朝を迎えたというのに、
疲れた顔をして。
そうだ、俺が素敵な驚きをやろうか?」

「もっと疲れるので結構です。」


その部屋に居た江雪殿と鶯丸殿と鶴丸殿が私のこの状況を不思議そうに見る。


「まぁ、茶でも飲んで落ち着け。」

鶯丸殿がニコリと微笑み茶を一口飲む。


「それ私の茶ですよね。」

「そうだったか?」

「一体如何しました?」

江雪殿が私に質問してきた。
なんと答えるべきか…
主の事を言うと失礼だろうな…


「…明日の戦についてです。」

此処は、明日の事について話しておこう。


「ああ、そういえば顕現したばかりなのにそんな大きな仕事を貰ったんだろう?
良いじゃないか、それだけ主もお前に期待してるんだ。」


鶴丸殿が煎餅を咥えながら私を褒める。
行儀悪いから好い気になれないな…。


「は…はぁ。」


すると次の瞬間。襖の開く音がした。
いきなりだから私たち二人は音のした方へ向く。


「……加州殿?
如何したのですか?」


其処には、加州殿が文句言いたげな顔で立っていた。









「…一期一振、ちょっと用があるんだけど良い?」
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