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分からないだけ

第2章 心の距離は月と地球よりも遠い


「用がある。」と言われて私は右腕の袖を加州殿に何時の間にか掴まれており、廊下まで連れていかれた。


「……なんだ、加州の奴一期に嫉妬しているのか。」


「まだ諦めていないのですね……」


「当然だろう。彼奴は独占欲が強いからな。」


三人はそう笑いながら私に手を振った。
……嫉妬?私は加州殿に何かやらかしただろうか。
というか止めてほしかったのだが。


「かっ…加州殿!?」


「………」


私に応えようとせず、ズカズカと足を前に進める。
怒って…いる?


数分経ち、加州殿は誰も通っていない静かな廊下についた。

「え…ええと、加州殿。」

私が加州殿を呼んだ瞬間、加州殿が廊下に私を押し付けた。
両手を塞がれ、お互いの距離が近い。
こ、これは…!壁ドン…ですな。

でも、加州殿のその顔は物凄く険しい顔だった。


「…あんたさ、主の事好きなの?」


加州殿からの唐突な質問に私は一瞬頭の中が真っ白になった。
私が、主の事が好き??
否、唯気になるだけで別に。


「……別に、主の事は恋愛対象として見ていないのですが。」


「それは『まだ』でしょ?
そりゃあ顕現したてだし、主の事が気になるのは分かる。
でもさ、度が過ぎてるでしょ?分かる?」

分かるわけないだろう、そんな事。


「ねぇ分かる?何回も自分の気持ちを好きな人に、大好きでたまらない人に!……何回も否定されるこの気持ちが!!!」


この時の加州殿の顔は、とても辛そうな顔をしていた。
若しかして、加州殿は主の事が好きなのだろうか?

そういえば、主は交際を否定する女子と聞いた。
だから加州殿も交際を拒否されているんだ。


「手を引かれて歩くのが羨ましい。お酒を注がれるのが羨ましい。主と二人きりで話すのが羨ましい。主に気に入られるのが気に食わない!!主の秘密を握ろうとするお前が気に食わない!!!主に押し倒されたのが…!!!!」


「………加州殿。」


「…言っとくけど、お前なんかに主は渡さない!
主に、蓮になんと言われようとも…!」


…勘違いされている。

なんか加州殿必死になってるが私は別に主の事好きじゃない。
でも、それは『今は』であって、『これから』は分からない。
若しかしたら好きになってしまうかもしれない。



「…何やってんだ?旦那共。」


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