第14章 ランスロットー執着とキスー
「…恋人…って、…誰と誰が…?」
「俺とお前だ。わかりきったことを聞くな」
その言葉を聞いて暫く黙っていたアリスだったがやっと理解したのか目を見開く
「っ!!…いや、あの!恋人って!…そんなっ、さっき会ったばかりで…はじめましてお兄さん的な感じなのに?!急に?!」
「…急ではない。どれだけ待ったか。とさっき言っただろう?貴様が忘れているだけで俺は何度も貴様と会っている」
「…え?でも!私は知らないし…、ぁ!人違いじゃ?多分間違えちゃってるんじゃないでしょうか?交換の約束が間違って私を連れてきちゃったか…それか、お兄さんが会ったことある人が別の人かも…」
「そんなことはあり得ない。」
「でも!」
「とにかく。貴様は俺の運命の相手で間違いない。」
「…っ、」
「離してほしいと言っていたな?この紙にサインすれば離してやらないこともない。」
真っ直ぐ見つめられアリスが押し黙る。
「どうした?サインしないのか。」
「…」
その沈黙を破るようにルールの紙が光った。
"15分間のキス"
「…ぇ?」
「きたか。」
「…?」
「悪いが今の話は後回しだ。貴様も祖父から聞いていただろう?交換の約束は紙が出すルールに従わねばならない。つまり」
ランスロットの指がアリスの唇へ触れる
「…ここは貰うことになる。」
「っ!?」
アリスが息を飲んだと同時に有無も言わさぬ速さでランスロットの唇がアリスの唇へ重なる
「っ、…!」
当然のことで一瞬フリーズしたアリスだったが状況を把握すると、すぐにバタバタと暴れ始める
「っちょ、…待って、っ、おに、さっ!」
「…待ってもいいのか。…思い出してみろ交換の約束を。貴様の祖父が伝えたことを全部思い出せ」
「…んっ、…」
アリスはランスロットに言われパニックながらも記憶を遡る。ーールールに従うことー罰があることー運命の相手ー結びの証ー。
思い出してようやく大人しくなるアリス
「思い出したか」
「…罰がある、んですよ、ね…?」
「そうだ。貴様の祖父はしっかり伝えていたというのに当の本人は忘れていたようだな」
ランスロットの唇が再び重なる。アリスは暴れこそしないもののキュッと体を硬くし唇をきつく閉じて耐えていた
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