第15章 フェンリルー懐かれ過ぎのキスー未完成
約束した!と真剣な眼差しで訴えられフェンリルが仕方ないといった様子で腕を伸ばす。そっとアリスを抱きしめる
「…っ、」
「…やったぁっ」
「…なんなんだよ…」
自分の腕の中で幸せそうに微笑むアリス。座っている自分と立っているアリスなのに頭の位置はそんなに変わらない。その肩は柔らかく力を込めたら壊してしまいそうだ
「…ねぇ、あなたの名前は…?」
「…フェンリル。フェンリル・ゴッドスピード。」
「…フェンリル?…フェンリル…フェンリルっ、」
何度も名前を呼ばれる。
「…なんだよ…」
「んーん。ただ呼びたかっただけ。だって運命の相手だもん。何回だって呼びたいものでしょ?」
「…そうかよ……、で、お前の名前は?」
「あたしの名前?…あのねー…」
そうやって自己紹介をしたり他愛もない会話をしながら少しずつお互いを知って行く。
そしてここからフェンリルとアリスの1ヶ月間がはじまった。
「…なぁ、これいつまでやればいい?」
「どれー?」
「だから、いつまで抱きしめてればいいんだよ」
「…まだしばらくはずっと。あたしの気がすむまで。」