第10章 シリウスー大人と悪魔とキスとー
あと15分。
ゆっくり過ぎていく時間が焦れったい。アリスはギリギリのところで耐えていた。身体を震わせるほどの快感が怖くて仕方ない。
「…のぼってきてるのか?」
「…っ」
シリウスに問いかけられギリギリの理性が奮い立つ。頷きそうになるのをグッと堪え口を開く。
「っ、なんの、はなしっ…?」
「…生意気な女は嫌いじゃない。でも、あんまり意地張ってると困るのは嬢ちゃんだと思うけどな」
ギラリっとシリウスの目が光った気がした。そして次に唇を重ねられた時にはもう耐えることすら出来ないほどの快感が一気に全身を包んでいた。
「っーーーーっ、っ、」
声にならない。閉じているのに目の前がチカチカと光る。…もう、だめ、だ。
ーーイクッ
呼吸が止まって波に飲み込まれるのを待った。
でもまるで見計らったようにシリウスを唇を離す。
「っはっ、ぁ、ぁ」
「どうした?何かあったのか?」
余裕そうなその顔を力なく睨むことしかできない。もう一度唇を奪われる。そしてまた波が襲いかかる
「っー、んんっ、ぁっ、」
なのに。
「…やっぱり様子がおかしいな。大丈夫か?」
「っ、く、」
きつく唇を噛む。シリウスは大丈夫ならいい。とまた唇を重ねる。明らかに狙ってる。わかってるのに、もう、身体が言うことを聞いてくれない。
イキタイーー
「っは、んっ、」
頭の中を達したい欲が埋め尽くしていく。
だ、め、なのにー
「…いい顔だな。凄くそそる。」
「っ、ぁ」
「どうした?聞いてほしい望みがあるんだろ?」
「…っ」
「言わなきゃ俺はわからない。いいのか?このまま終わっても。」
頭の中でシリウスの声が繰り返される。それは欲望の背中を優しく押して口のところまで運んでいくようで
「…っ、もぅ…」
「ああ。」
「…むり、」
「それじゃわからない。どうしたい?どうしほしい?」
「っそれは…」
「ちゃんと言え。」
「っ、できないっ、」
「じゃあこのままだ。ずっと」
「っ、そんな…」
「嫌なら口でちゃんと言えばいい。」
ーーお願い
「っ、…かせて、」
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