第9章 レイー目は強がりよりモノを言うー
そしてまたルールの紙が光る。
"見つめあって60分"
「…ぁ…」
「…まだ、お前の顔見ててもいいらしいな。」
レイが悪戯に笑う。
「…俺はいくらでも見てられる。すみれの目」
「…ゎたし、は…」
アリスが恥ずかしさからか眉間にキュッとシワよせる
「…いやか…?」
「っ、ちがう、の…」
慌てて首を振り否定するアリス
「…じゃあ、どうした?」
「…なんか、ぁの、…見てたら、ゾクゾクって、…」
「…ん?」
「…レイの目みて、たら、…身体が、ゾクゾクするの、っ、…名前、呼ばれたら、もっと、あつく、なる感じがして、…」
「…すみれ…」
「っ、…っ」
真っ直ぐ見つめられ名前を囁かれるとアリスの身体がピクンと反応する
「…すみれ…すみれ…」
「っ、ゃめ…」
それでも課題の為そらせずどんどんとその目は熱を孕んでいく
「…っ、なんだ、よ、…その顔っ、…」
「…ぇ?」
見つめて名前を呼ぶたびにトロンと変化していくアリスの顔にレイのほうが赤くなる
「…反則かよっ、ずるいな、お前…っ、」
「…レイ…?」
レイは一度瞬きすると意識して目力を強めアリスを再び見つめた
「っぁ、…」
吸い込まれそうなその瞳にアリスの身体の熱が上がる
「…なぁ…すみれ…?」
「っ、ぁ、…」
小さく声が漏れてアリスが唇を噛む
「…こら。そんなことしたらお前の唇に傷がつくだろ?」
「……っ」
「やめろ。…それに、俺はすみれの声聞きたい」
「っ、で、も、」
「でもじゃねぇよ。はしたないとかなんとか言ってたけど、そんな事は1ミリもねぇから。…だから、噛むな。我慢するな」
レイ目を見つめていると断れなくなる。アリスはその目力に促されるように小さく頷く。
「…やっと、お前の本心が聞けたんだ。…やっと俺の目を見てくれるようになった。…もっと、もっと、すみれとの距離が縮まればいいと思うのは俺のワガママか?」
「…そんな、こと、…」
「…じゃあ、俺の願いを聞いてくれるか?」
「…ね、がい、…?」
「そうだ。」
レイが悪戯に笑う。
next