第9章 レイー目は強がりよりモノを言うー
「…なぁ…俺のこと、嫌いか…?」
レイの声が余りにも弱々しくてアリスはそれに導かれるようにレイの目を見つめた。
「…きらい、じゃ、ない…っ」
「、っ、でも、お前昨日…きらいって、…」
「っぁ、の、…多分それは…っ、」
「それは…?」
「…きらいに、ならないで、って言ったの…」
アリスは恥ずかしさから顔を赤らめる。
「…え?」
「…あ、んな風に、はしたなく、声出しちゃって、…あなたに、嫌われるかなって思って…そ、れで、こわくて、っ」
「……っ」
レイの心臓が自分の待っている答えが聞けるのでは、という期待からドクドクと音を立てる。でもーーもしかしたら違うかもしれない。不安と期待がレイ心拍数を上げていく。
「…こわい?…何で俺に嫌われるのがこわいんだ…?」
「っ、そ、れはっ」
「教えろ。ちゃんと聞きたい。…俺はお前が運命の相手だと知って有頂天になるほど嬉しかった。…お前に…すみれに会えて、俺は本当に良かったと思ったんだ。…おま、え、は…?」
「…ゎ、たしは…」
アリスが意を決したようにグッと身体に力をいれる
「…あなたに…レイに、ずっと会いたかったから、だから嫌われるのが怖かったのっ、レイが運命の相手で、すごく、うれし、かったっ」
レイがヒュッと息を飲む
「っ、…すみれっ」
待ち望んでいた答えに無意識に身体が動いてレイはアリスを抱きしめた。
「…っ、れ、い…」
「っ、よかった、っ…」
アリスもおずおずおレイを抱きしめ返す
「…俺、嫌われてると思って、本当、…でもすみれに触りてぇし、もっとお前と近付きたかったし、…俺だけのアリスともっと…色々話したり、笑ったり…」
「…うん…」
「…可愛い顔をもっと見たい。すみれの声でもっと俺の名前を呼んでほしい。…キスもちゃんとしてぇし、一緒に飯食ったり、眠ったり…それ以上のことだって、全部、お前としたい」
「っ、れいっ、…レイ!」
アリスがほんの少し腕に力をいれる。その顔は笑顔で満たされいてレイは初めて見たその顔にボンっと顔を赤くした
「っ、ちょ、お前っ、…そんな顔するんだな…」
「…へ?」
「っ、だからっ!…笑った顔…すげぇ、かわいいってこと」
「っ、!」
今度はアリスの顔が真っ赤だ。
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