第6章 セスーキスと二重人格ー
「セスさっ…もぉっ…っやぁっ」
アリスはセスに翻弄されていた。罰の1時間が始まってからセスは5分〜10分するとすぐに唇を離してしまう。
「…やぁめたっ☆」
「っ、やめ、なぃでっ…っ、おねがっ…」
「…だめよ。もっかい最初からねっ」
「っそ、んなっ…」
またやりなおし。
「…っ、も、…っ、む、りっ」
「…そう?じゃあ、休憩する?」
「っ、!?っ、それ、って…」
「そうよ。また最初からってことっ」
「っ!!やぁ、っ、つづけて、っ、セスさんっ」
何度も何度も繰り返されて続けていたら1時間なんて過ぎてるんじゃないか。と思えるほど時間が経っていた。
「ほら、唇が離れてもうすぐ1分。また始めからになっちゃうけど、いいの?」
真底楽しそうにセスが問いかける。
「っやぁっ、やめないでっ…おねがっしますっ」
アリスはセスの頬を両手で掴んで自ら唇を重ねる。セスは楽しそうにそれに答える。
「んんっ、…」
アリスの脳みそはふやけきっていてほとんど機能していなかった。
20分を過ぎた辺りでまたアリスの身体が反応する。膝がガクガクと震えて大きな何かに飲み込まれそうになる。
「…また、波がきたか?」
再び聞こえる低い声に身体がビクつくのがわかった。
「逃げないと、約束できるか?…そうしたら、最後までキスを続けてやる。」
息継ぎの合間のセスの声。
「どんなに大きな波がきて、飲み込まれても逃げないか?」
膝の震えが止まらない。
「イキ続けて逃げたくて、快感が怖くてもキスを続けられるか?」
何度も問いかけられる。低くて甘い、でも少しほろ苦い声。
「…っ、こ、わいっ、」
身体が自分じゃないような感覚に陥って、もうすでに逃げ出したい。でも、でもーー
「…約束できるなら、逃げないと約束するなら怖さを忘れるほどキスしてやる。」
セスさんがーー
「…さいごまで、そばに…いてくれ、る…?」
「…当たり前だろ、…どんなにふやけても、そばにいる。」
アリスは力なく微笑んで小さく頷いた。
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