第6章 セスーキスと二重人格ー
…?
理解するまでに時間がかかった。
だめ…?
「ど、して…っ?」
キスを続けないと罰がまってる。破ったら戦争になる。
「お願いしますっ…続けてっ…」
泣きそうになるのを耐えてセスにしがみつく。
「やぁよ。」
セスがいつもの調子に戻ってるのも気づかないほど心臓が音をたてて鳴っている。
「そんなっ…だって!破ったらっ戦争にっ!」
「だぁから、罰を受ければいいでしょ?最初から、1時間。」
そんなーあと1時間なんてー
「っ、せすさんっ!おねがっ…」
「だから、やぁよ。あたし、ずーっとアリスちゃんとキスしてたいの。ほら、あと10秒唇が離れてたらもう1時間よ。」
セスが時計を見せる。
「なんでっ…そんないじわるっ」
「さぁ…なんでかしらね。」
あと、5秒。セスのカウントが始まる。
「…っ」
涙が溜まった目で見上げるアリス。セスはニヤリと口角を上げてカウントダウンを続ける。
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2
1
「ゼーロっ」
ルールの紙が赤く光る。守れなかったんだ。
「…すみれ…もう一回。1時間な?」
囁かれ、唇が重なった。
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