第14章 ランスロットー執着とキスー
「しっかり思い出したようだな。すみれ、貴様は面白いほど顔に出る。それも変わってない」
ランスロットがアリスの髪をそっと撫でる。とても愛おしそうに。
「…っ、でも、運命の相手って、会うまでわからないんじゃっ、」
アリスが疑問を投げかける
「他のやつはそうだろうな。でも俺だけは違う。魔法が使えたからな。」
「ま、ほう…?」
「あぁ。科学の国ではあり得ないことらしいがこの国では普通のことだ。俺は幼い頃から何の力も借りず魔法が使えた。…交換の約束を初めて聞いた日我慢出来ずに運命の相手を調べて会いに行った。それがすみれ、お前だった。」
「…っ、ずっと、待ってたって…」
「あの日からずっとだ。」
「…10年以上ってこと…?」
「だからさっき言っただろう。どれだけ待ったと思っていると。」
「……」
「だからすみれ、お前の事を科学の国は返す気はない。貴様はここで暮らす。俺と一緒だ。」
「っ、そんな、こと、急に言われてもっ」
「急ではない。」
「っ、でもっ」
うるさい。と言わんばかりにランスロットがアリスの口を塞ぐ。
「っ、ん、…」
「…逃す気は毛頭ない。俺は10年待った。…恋い焦がれて待ちわびてこの日を迎えた。」
「っ、ランスロット…っ」
「それにもう俺も貴様もあの頃のように子どもではない。あの頃したくてもできなかったことが今ならなんでもできる。…こうやって唇を重ねることも。それ以上も…」
ランスロットの声が甘くなる。吐息交じりの切ない声にアリスの体がピクンと反応する
「っ、そんな、っ、…だって、ランスロットは王子様で、…わたしは、ただの一般人でっ、」
「それがどうした。交換の約束に身分は関係ないだろう」
「…でもっ、私、そんな可愛くもないし…美人でもないし…」
「貴様は愛嬌のある良い顔をしている。」
「っ、それに、ほら、背もそんな高くなくてっ、お腹とか太ももとか、プニプニだしっ、」
「…触り心地の良さそうな身体だ。問題ない」
「っ、でも、…でもっ!」
もう良いと言わんばかりにランスロットがアリスの頬を包む
「何が言いたい、すみれ。どう争っても貴様をここから帰すことはない。」
「…そ、んな…」
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