Instead of drink 《テニプリ越前 リョーマ》
第2章 その場所
リョーマはむっとしながらそう言った。
言われるまで気にしていなかったが、上衣は胸の上まで捲られたままで下着も少し上がっている。は慌てて服を下ろした。
リョーマの方は顔は見えないが多分むっとしたままなんだろう。
ソファーに腰掛けたまま左足を座部に立てている。
「リョーマくん…」
はリョーマの手を握ったまま近寄っていく。
途端にリョーマはの方へ顔を向け切羽詰まった声を上げた。
「ストップ」
近寄るを制止するように。
するようにというか、それはを確実に制止させた。
「俺は 途中なの」
リョーマの言葉を聞いたは一時考えたがそれが何を意味しているのかすぐに悟った。
俺は 途中なの
そう言ったリョーマがどうしようもなく愛しく感じてしまった。
つまりリョーマはその欲を寸止めされていて、今我慢している状態なわけで近づくは正にその原因と吐き出し口であるわけで。
は先程までのお返しにリョーマにもっと近づいてリョーマ自身の我慢の限界を見てみたい気もしたが、このリョーマのことだどんな仕返しが今後あるか想像もつくのでそれは止めた。
「じゃあ……場所変えようか」
は繋がれたままのリョーマの左手を握り返しそう言った。
その時のリョーマの顔は見なかったが多分あの表情だと思った。