Instead of drink[テニプリ 越前 リョーマ]
第3章 夕暮れ
「いいよ、俺もしたいから」
リョーマはブランコの鎖を握るの左手に自分の右手を重ねるように握ってからそのまま固まっているの唇に触れた。
軽く浅く。
リョーマの唇がと重なる。
キスは…はじめてじゃない。なんならさっきカラオケボックスでリョーマとしている。
でもなんなんだろう、このふわふわした気持ちは。
幸せと喜びと嬉しいが一気に自分に降り注ぐようなそんな気持ちだった。
唇から離れたリョーマを追うようにしてはリョーマの腰に手を回しぎゅうっと抱きついた。
「リョーマ…くん」
今リョーマはどんな表情をしているだろう。そう思いながらリョーマの腹部に顔を埋める。
彼の学ランのにおいがする。かすかに覚えている制服のにおい。自分もかつては制服を着た学生だったから。歳が離れていてもせめて、せめてまだ制服を着る学生だったなら。そんなどうしようもない気持ちが頭を駆け巡る。
そしてリョーマは今困っているのかそれとも。
「リョーマくん、好きだよ、世界で一番大好きだよ」
顔を埋めたまま腰に回した手に力を加えて全身で好きだと伝えた。
リョーマの足元から砂音がする。
「わかったから…、」
リョーマから声が聞こえたはさらに深く抱きついて腹部に圧を加える。それに反応するようにリョーマが声を出した。