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Instead of drink[テニプリ 越前 リョーマ]

第3章 夕暮れ









キィとまた音を鳴らした揺れる遊具。
リョーマが先にそこに座ったから私も隣のそれに座った。
リョーマは吊るされたその古びた鎖に両肘を絡め膝をひしがたの形にして座っている。
それをちらりと横目で見てまたその視線を戻す。
あの時リョーマは何も喋らないあの子が口を開くのを待っていた。
ただブランコに座って。あの子は落ち着かない様子で少し慌ててあ、あのね…!と話を始めたんだと思う。
だから私は、冷静に話そう。少しぐらい反抗したっていいだろう。あの子と比べて私は大人なのだから。


「…リョーマくん、私ね 」


の言葉にリョーマはうんと応答した。
の方を見て私ね、の続きを待っている。
リョーマが待っているから頭の中でまだ整理しきれてない感情たちを言葉という形にしながら声にしていく。


「子供の頃から、ずっと何かに我慢してきた。我慢してればいいって思ってきた。」


鎖をぎゅっと握りしめる。


「私が我慢してなにも言わなければ問題ないって」


左手で髪の毛先をいじる。子供の頃からいままで経験したこと、傷ついたこと、嫌だったこと、悲しかったこと、それでも我慢をしたこと、たくさん頭に思い浮かべた。


「でもね、リョーマくんのことだけは我慢できなかったよ」


首を横にしてリョーマと目を合わせた。
を見ていたリョーマの目を見つめる。


「私 リョーマくんのこと本当に本当に大好きなの」











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