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溺れた先の光

第17章 16 解かれた秘密(エルヴィン)


慌てた様子でモブリットがハンカチを差し出すも、私はそれを受け取らなかった。

「今先生がエルヴィンへの報告書を書いてる・・・多量の睡眠薬が使われた可能性がある。それに、時期が悪ければ・・・」

~がらっ!!~

乱暴に開けられたドアから姿を現したのはリヴァイだった

「ハンジ・・・緋涙がのぼせるほど風呂場で捕獲武器の話でも・・、なんだお前ら・・・揃いも揃って何してやがる」
イラついた表情から一転して驚いた表情になったリヴァイがゆっくりとこちらへ近づいてくる。

「緋涙?・・・」

ベットで眠る緋涙にリヴァイは「起きろ、部屋へ戻るぞ」と声をかける。
だが、目を覚ます様子のない緋涙にリヴァイの顔が歪むのがわかった。

空けられたままのドアから医師が入ってきてドアを閉める音で全員がそちらへと顔を向ける

「エルヴィン団長、いらしていたんですね・・・緋涙さんの報告書です」

手渡される報告書が私の手に届く前にリヴァイに奪われてしまう


「経口摂取後・・・首から直接体内に、・・・通常の8倍の睡眠薬が検出・・膣周辺の裂傷と複数回の射精」

震える声で途切れ途切れに報告書を読み上げるリヴァイが、それを持ってきた医師につかみかかる

「これはどういうことだ!!こいつが・・」
「リヴァイ!!」

医務室に響き渡ったハンジの声に全員の視線が一か所に集まる。

「緋涙が、兵団内の誰かに襲われたと仮定しよう・・・風呂上りに喉の乾いた緋涙が誰かに睡眠薬入りの飲み物を手渡され、それを飲んだ。その後眠ってしまった緋涙に万が一の為に注射器なんかを使って直接体内にそれを打ち込んでその場から連れ去った」
ハンジの話に首元を掴んでいたリヴァイの手が緩み、医師が解放される。
だがその手が今度はハンジにつかみかかる・・・

「じゃあ何か・・・緋涙は兵団内のクソに強姦されて眠ってるって事か」

「そういうことになる・・・ね」
「っは・・・」

ぎりっ、とリヴァイが食いしばる。

沈黙が医務室を襲う・・・
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